代田でハチミツ!?
後編:養蜂家の高橋さんに聞いたミツバチの秘密!

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◼︎意外と知らなかった! ハチミツにかんする8のこと

前編の記事では、代田で養蜂を営む高橋さんに、ハチミツができるまでの過程を見せてもらった私たち。
たくさんのミツバチを見ていたら、いろんな疑問が湧いてきたので、高橋さんにぶつけてみました!
蜂たちの世界は、意外なほどに奥深かった…。
8つのミツバチトリビア、まとめてお届けします〜!


❶ 働くミツバチは、みんなメスバチ

ミツバチの社会は「超・女系」。コミュニティの中で働くのは女王蜂を筆頭にメスバチだけで、蜜集めや巣のメンテナンスなど、すべての仕事を彼女たちがまかなっています。
花の蜜が豊富な時期は、一つの巣箱に常時2~4万匹(!)ものミツバチたちがいる状態になるそうですが、その中でのメスバチの比率は90~95%
では、残り5~10%のオスバチは何をやっているのか? 答えは…普段は何もしていません。オスバチは、春~初夏の産卵時期に女王蜂と交尾をして子孫を残すためだけの存在。秋口に冬越しの準備が始まると、オスバチたちは働き蜂によって巣の外へ追い出されて凍死してしまうのだとか。切ない…。

これ、ほぼ全部メスバチなんだ…
 

❷ 女王蜂はどうやって女王になるの?

働き蜂が掃除、育児、蜜集め、守衛などでせっせと動き回るのに対し、巣にたった1匹の女王蜂の仕事は「出産」のみ。2~3年の寿命(※)の中で、1匹が約8万個もの卵を産みます! しかも交尾は生涯1回だけなんだそうです。
では女王蜂はどうやって決まるかというと…。それは「偶然」(えええぇぇ…)! たまたま巣の中の「王台」に産み付けられた卵が、ローヤルゼリーを与えられ、女王蜂として成長するのだそうです。
(ローヤルゼリーってそういう力があるから、化粧品にも入っているのかー!)
蜂の種類によっては、女王蜂が巣から飛び出して新しい群れを作る(=分封)ことも多く、日々の内検が欠かせないそう。適切に手を入れないと、働き蜂が卵を産むケースもあるようです!
※ちなみに働き蜂の寿命は1~2ヶ月
一匹だけ大きいのが女王蜂です
 

❸ 蜂に嫌われる職業があるらしい

ミツバチはハチ科の中でも攻撃性がなく、おとなしい性質。
巣を攻撃したり、蜜を盗もうとするなどミツバチの嫌がることをしない限り、自分から刺すことは稀だそうです。
でも高橋さん曰く、養蜂の見学会でひときわ刺されやすい職業があるのだとか。
それは…バーテンダー
蜂はアルコールが気体になる時の甘い香りに誘われるようなので、そのためかもしれません(…とするとむしろ、好かれているのか?)
飲食業の方は注意! そうでなくても二日酔いの日や、お花見やバーベキューなど、昼間にお酒を飲む時には気をつけたほうがよさそうですね!

普段はおとなしいんですけどね
 

❹ 花の種類が多いのと少ないの、どっちがいい蜜?

たくさんの花の蜜が入っているハチミツを「百花蜜」
ほぼひとつの花の蜜だけで作られているハチミツを「単花蜜」というのですが、
どちらにもそれぞれの良さがあります。
単花蜜は、アカシアならアカシア、れんげなられんげ…というように、一つの花の蜜の味が口の中に鮮やかに広がる贅沢さが魅力。でも、ほか花の蜜を混ぜないような空間(農園や山など)が必要なので、作るのが大変でレア度も価格も高くなる傾向が。
一方で百花蜜は、たくさんの花の蜜がブレンドされていて「何の花」というのは特定しにくいけれど、季節を丸ごと味わっているようなみずみずしさがあります。いろんな花の養分が入っているので栄養度も高いそう。比較的安価で、買いやすいのも嬉しいですね。
一匹の蜂が一生に集める蜜の量は「スプーン一杯」と言われているから、いずれにしても大事に味わいたいところですが…。

巣をいっぱいにするのに、何匹のミツバチが働いたんだろうか
 

❺ 蜂の巣はなぜ六角形なのか?

蜂の巣の形を思い浮かべてみてください。
思い描くのは、規則正しい六角形ではないでしょうか?
「蜂の巣はなぜ六角形?」…空間を限りなく有効に使うための手段、と言ってしまえばそれまでですが、この巣の作り方を編み出したミツバチはすごい。
六角形なら、敷き詰めた時に円ほど隙間ができないし、三角や四角のように角ばったスペースが多いわけでもない。蜜をたくさんためておくのに、この形が最適なんだそうです。(自然の不思議…! 思えば雪の結晶なんかも六角形)
六角形の結合した形のことを「ハニカム構造(=honeycomb structure)」といいますが、この形は他にも飛行機の壁面や、新幹線の車体などにも応用されているようですよ。
 

❻ スズメバチとも戦う! ミツバチってけっこうたくましい

巣にいる幼虫を狙って襲ってくるスズメバチは、ミツバチたちの天敵。
数十匹で襲ってこられたら、残念ながらひとたまりもないのですが、数匹のスズメバチであれば、ミツバチたちも戦う余地があるのだそうです。高橋さんが朝起きると、ミツバチの巣箱の近くにスズメバチの死骸が転がっていることも時々あるとか。ミツバチって、実は意外とたくましいんですね。
ミツバチもスズメバチも働き蜂はメスなので、まさに「女の戦い」って考えると、恐ろしくもありますが…。

 

❼ ミツバチの羽は天然エアコン?

ミツバチの活動しやすい気温は「18〜25℃」くらい。(巣の中はだいたい「35℃前後」くらいに保たれているといわれています)
夏と冬は、ミツバチたちにとっては辛い季節。
でも、暑い時期は巣箱の外から「クーラー係」の蜂が羽ばたきで巣に風を送って(※)。寒い時期は、巣の中で押しくらまんじゅうのように身を寄せ合って。巣の中の温度を保ちながら、厳しい季節も協力してしのいでいくそう。
ミツバチって強い…!
※風を送ってハチミツを濃縮する、という効果もある

巣の中に風を送る様子。健気

❽ 日本ミツバチの蜜はレア度が高い!

日本の蜂の在来種である「日本ミツバチ」は、生態がデリケートで巣を放棄しやすいため、ハチミツが貴重。
一部のランやスミレなど、西洋ミツバチが興味を示さない花にも寄っていくため、たくさんの種類の蜜が入ったハチミツを作るんだそうす。
また、巣がもろく壊れやすいため、「分離器」を使った採蜜が難しく量産しにくいのも貴重なゆえん。
ちょっと酸味のあって栄養価の高い独特のハチミツなので、高橋さんも時々、購入しているそうですよ。
南の地方の道の駅などで、売っていることが多いそうなので、探してみてください!

年中様子を見ていると、もうミツバチが可愛くてたまらない、という高橋さん。
我が子のことを話すように、とても優しい顔をしてました。いいなあ。


 

◼︎ドリンクレシピを教えてもらったよ!

高橋さん曰く「ハチミツは何の料理にでも使える!」
甘味料としてはもちろん、きんぴらや煮物、酢の物の隠し味として。
また、ハチミツにはお肉を柔らかくする成分が含まれているので、火にかける前の下ごしらえに使うといいそうです。 (それに、ハチミツそのものが安眠や二日酔いにもいい!)
オールマイティーですね…!

今回は数あるレシピの中から、高橋さんオススメのドリンクメニューを教えてもらいました!

◎特製ハチミツレモン

ハチミツ:レモン果汁=1:1

冷たい水でお好みに薄めて飲みましょう。
(ビールや焼酎など、お酒で割っても美味しいそうです〜!)
加熱処理していないハチミツなら酵素の力が活きているので、ミネラル分がより豊富だとか。

◎ハチミツ桃ヨーグルト

・ハチミツ……スプーン大さじ1杯
・桃……1個
・ヨーグルト……200ml
・氷……適量

ほんのりピンク色の、暑い季節にぴったりの爽やかなジュースです!
素材をミキサーに入れて、攪拌させればできあがり。
ヨーグルトが入っているので、美容に良さそうだしお腹にもたまります。
高橋さんの朝ごはんは、もっぱらこれ。

◎生姜のハチミツ漬け

・生姜スライス……容器により適量
・ハチミツ……生姜がひたひたになるくらい

漬けた生姜が、しんなりしてきたらできあがり。
ハチミツに生姜の風味がじわっと溶け出て…これ絶対に美味しい…。
ハチミツをお湯やお茶に溶かして飲んだり、アイスにかけたり。
漬かっている生姜は肉・魚料理の隠し味やスイーツ作りに使ったり。
そのままかじっても美味しそう!

他、巣にはりついていた「蜜蝋」は、溶かしてキャンドルや石鹸に加工したり。
ハチミツって、捨てるところがない優秀な素材なんですって!


元々、旦那さんの祖父母が杉並でミツバチを飼育していたことがきっかけで、養蜂に興味を持ったという高橋さん。
当時、お祖父さんが一升瓶に入れ持ってきてくれていたハチミツがあまりにも美味しくて、今もその味を目標にしているのだと話してくれました。
その頃から思っていたのは「手をかけただけハチミツは美味しくなるはず!」ということ。愛情いっぱいにミツバチの世話をしていたお祖父さんをお手本にして、毎日、心を込めてミツバチを育てているんだそうです。
(でも「全然まだお祖父さんの域には達してない」とのこと。謙虚)
実際、手をかけ続けることで、この17年間で蜜の味が変わってきた気がするそうですよ。


愛情がこもった、ミツバチの記録帳。

そんな高橋さんが最近、気にかけていることは、
自然が多いように見える代田だけれど、ミツバチが寄れる花はまだまだ少ない…ということ。
代田に花を増やして、ミツバチが活発に動けるようにする。
そして、それをきっかけに代田ももっと元気になっていく…というのが高橋さんの願いなんだそうです。

「代田の養蜂」のハチミツ。
自然のことを考えるきっかけとして。もしくは代田の活性化を促すために…
街で見かけたら、ぜひ入手して味わってみてくださいね。


◼︎代田の養蜂 のハチミツが買える場所◼︎

ブーランジェリー カドー/新代田
http://boulangerie-cadeau.com/
ワサビエリシ/新代田
http://www.wasabielisi.com/
あだち商店/三軒茶屋
https://www.facebook.com/kanbutuadachi
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