秘蔵映像!!
昭和6年の新代田!

電車 映写機 給水所

ある日、近所に住む方から「だいたい新代田」に一本の動画が寄せられました。
話によると、なんと、昭和ヒトケタの時代の世田谷をフィルムに収めたものだとか!
(音声が入っていないので「活動写真」と表現するべきなのか…?)
モノクロの珍しい映像に、ざわつく編集スタッフたち…。

 

 
 

これが、動画で見る昔の新代田。どこのライブラリにも載っていない本邦初公開の動画です!
でも、何だか近所で見覚えのある風景が、所どころに混じっているような?
というわけで、映像の中の風景を探しに、散策に出かけてみました。

 
かつてこの映像を映し出したという、
映写機も現存していました!
レトロ感がすごい…。
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そして今回、回ってきたのはこのあたり!


①京王井の頭線

新代田周辺に住んでいれば、一度は乗ったことがあるであろう井の頭線。 会社に通う人や学生さんにとっては、大切な「通勤・通学の足」ですよね。
(渋谷行きの朝の混雑は、できればあまり思い出したくない)
”嵐でも大雪でも止まらない”と噂されている頼もしい存在ですが、昔はこんな時代もありました。

 

 

 
 

左の写真が、開通当初の井の頭線。昭和ヒトケタの時代に、下北沢〜東松原間で撮影されたものだそうです。
当時は車両が1両しかなかったんですね! 現在の車両(右の写真)と比べると、形も丸くて何だかかわいい。
 

当時から、線路は渋谷〜吉祥寺間を結んでいました。よく見ると、行き先のプレートに「渋谷」と書いてあるのが見えますよ。
ただ、周りの様子は当時からガラッと様変わりしたようです。
昔の新代田は、木がたくさんであまり人が住んではいなさそうな感じ…。
 
 
 
かつて井の頭線に「幻の線路」が存在した?
    
1953年まで、新代田〜世田谷代田駅間に存在していたという、幻の線路の話。
1944年の空襲で車両の大半が焼失した井の頭線では、急きょ、小田急や東急から車両を持ってきて走らせることになりました。でも当時、京王線は独立した路線だったため、車両の輸送手段がない。
そこで、工事をして他会社と線路をつなげ、車両をひっぱってきたんだそうですよ。
(その時できた線路の名前が「代田連絡線」!)
なんと、戦後〜京王の新たな車両「3000形」が完成する1960年代までは、井の頭線の線路を東急の「1900形」が走っていたこともあったようです。映像に映っていた車両も、年代から見てこの東急の車両なのかも?

 


 

②和田堀給水所

代田橋駅の脇にある、工事真っ最中の和田堀給水所。
世田谷で「給水所」というと、弦巻の「駒沢給水塔」もありますが、駒沢は“高さ”が特徴とされるのと比べ、和田堀の特徴は“広さ”といわれているのだそうです。
ギリシャ神殿ふうの建築が特徴で、庭では春になると桜とツツジも見どころでした。

1924年にできたという、和田堀給水所。
年に2回ほど見学会が行われていたようですが、 今は改装中のため、残念ながら中に入ることはできません。
でもこの角度からだと、昔とほとんど変わらない姿が見られます!
 
 
 
 

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給水所の前を通る井の頭通りは、 通称「水道道路」とも呼ばれていますよね。
今は渋谷の駅前付近から舗装された道がつながっていますが、当時の道幅は半分以下だったよう。
周りの雰囲気も、平成よりだいぶ、のどかな感じですね。

 

和田堀給水所、いつ工事が終わるの…?
   
ところで、和田堀給水場って、もうずーっと工事が続いているような気がしますが…。
いったい、いつ完成するのでしょうか?
調べてみたところ、完成予定は2021年3月31日なのだとか。(なんと…まだ6年も!)
2011年に世田谷の「まちづくり条例」ができて、工事するのに地元との合意が必要になったため、着工時期を少し遅らせたことも関係あるようですよ。
それから世田谷の街には、手動の給水ポンプが残っている家がよくありますが、あれは、給水所ができた当時の設備の名残りなのかもしれません。
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③羽根木神社

 

和田堀給水場の近くにある「羽根木神社」。
別名「北原(きたっぱら)のお稲荷様」とも呼ばれ、戦前から地域の人々に親しまれていました。
豪徳寺の総鎮守「世田谷八幡宮」では、昔から大きなお祭りが行われていましたが、
遠すぎて行けない人のために、羽根木神社(代田橋)と松羽稲荷神社(東松原)の
二つの神社で一年おきにお祭りを行っていた、という話も残っています。

 

羽根木神社は、豊穣の神「宇迦能御魂神(ウカノミタマノカミ)」を祀る稲荷神社。(おいなりさんがいます)
昔の写真と比べてみても、神社だしあまり変わった点は見られません…。
しかし、詳しく調べてみると…!?

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1945年に社殿が空襲で焼けてしまったらしく、新しく建てられたのが1958年。
なのでこの映像には、今の社殿より前の世代の、羽根木神社の姿が映っているということになります。
写真の鳥居も、モノクロの写真の方が年季が入っているような…?

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ここが本殿。現在は建て替え後の建物だと思いますが、面影がありますね。
羽根木神社の発祥は、残念ながら調べても記録には残っていませんでした。
ただお祭りは昔と変わらず、毎年9月の1週目くらいに開かれているようです。
 
 
近代的でカッコいい、羽根木神社の社務所を見に行こう!
     
余談ですが、羽根木神社の社務所を見たことはありますか?
モダンな格子が付いていたり、2Fはなんとガラス張りで、賃貸オフィスを併設!
「神社」というには意外なくらい、近代的でカッコイイ造りをしています。
神社の近くで働く女性建築士の方が設計したそうで、開放的な雰囲気を意識しているようですよ。
お参りがてら、散策に行ってみては?
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④羽根木の森

 

「だいたい新代田」の編集室がある「羽根木の森」。
昔は外国人の方専用の集合住宅があったようですが、今はオフィス棟になっています。
雑貨屋さんや食べ物やさんも増えてきて、新代田でも注目のスポットのひとつになりつつあります(多分)。

 

昔の羽根木1丁目付近はこんな感じ。
木が多いのは今と変わらないかも。

 

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昔はこの道の西側に、醤油工場が建っていたらしいです!
そこで作られていた醤油の銘柄に由来して、「亀甲新」という和風建築が作られました。
サイトで前に紹介した「ワサビ・エリシ」さんや、有機野菜のランチのお店「キッコーカッコ」さんが入っています
 
 
和風建築は醤油工場の名残り?
     
醤油工場が建っていたのは関東大震災以前、約150年前のことで、残念ながら震災によって廃業されてしまったみたい。
「亀甲新」はその跡地に建てられた和風建築で、新築ながら昔の外壁などの面影を残した、レトロモダンな建物なのです。
設計を担当したのは、星のや 軽井沢を手がけた建築家の方だそう。
また「羽根木の森」のにある建物は「自然との共存」が共通コンセプトになっていて、
既存の大木をほぼそのまま残し、一部は移植したり木を避けながら道を通したりして、森を生かした建築を実現しています。
亀甲新の外壁もさまざまな技法で多彩な色合いを出し、周囲の環境となじませているそうですよ。
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いかがでしょう。
いつもは何気なく生活している場所でも、歴史を知ることで、また新たな愛着がわく気がしませんか?
新代田の歴史散歩、あなたもぜひ出かけてみてください!

※上記は全て2015年8月現在、「だいたい新代田」調べによる情報です